原発から30㎞圏内、かつて住んでいた場所があります。そこは、山に囲まれ、20年経っても自分が小さな子供の時のまま、頼りない記憶でさえ、地図も見ずに歩ける場所です。

そこには、まだほんのよちよち歩きの私のために、ある人が作ってくれた小さな庭がありました。

私が成人して、社会人になって訪れた時もその庭は、変わらずそこにありました。

作ってくれた方が亡くなった時もその庭はそこにあり、私の代わりにそこにいてくれると思えました。

いつか、子供にその庭を見せてあげたい、と思っていましたが、もしかするとそれもできなくなるかもしれない、もうあの場所の素晴らしい風景を見ることが出来ないかもしれないと思うと、自分の心の一部がなくなってしまったように感じます。





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